業績情報、財政情報をタイムリーに把握するのが、経営者にとって最も重要です。
月次決算については月末より2週間以内に作成し、チェックしなければなりません。
貴方の会社は月末より2週間以内に作成されていますか?
そうでないなら決算は税務申告のためにのみ作成されており、経営判断に役立っていないということになります。
チェックポイントとして、下記が挙げられます。
売上・粗利・経常利益、その構成要素である原価・販売管理費の予算達成率、前年同月比をチェックします。
差異について原因分析し、改善策を策定、実行に移します。これをプラン・ドゥ・チェックと言います。
第2に、売上経常利益率・販売管理費率・流動比率など比率分析を行います。
利益率の低下など率の悪化については、その原因分析をしっかり行わないといけません。率の変化は、必ず外部環境・内部環境・経営の変化が要因となっています。
経営体制が悪化している場合は修正する必要があります。経営者にとって大事なことは、このような数字に敏感になることです。なるべく経営状況を数値化しその変化をチェックします。なぜなら客観的に経営を把握することができるからです。
具体的な経営分析の方法は後述します。
また、業績情報・財政情報に加え、キャッシュフロー情報も重要となります。
なぜなら、赤字でも会社は倒産するとは限りませんが、キャッシュが回らない、特に支払手形が落ちないとなると確実に倒産するからです。
そうならないために大事なことは、資金繰り予定表の作成です。
資金繰り実績表も大事ですが、資金繰り予定表はより大事です。資金繰り予定表があれば、キャッシュ不足の予測ができますし、銀行融資などあらかじめ手が打てます。
私も事業再生コンサルをしていたときに、中小企業としては大きいにも関わらず資金繰り予定表がなかったことに驚いたことがあります。
私が自身で作成したところ、何と3か月後に手形が落ちないことが明らかになったのです。早速銀行融資の手続きを行い、手形を落とすことが出来ました。
資金繰り予定表を作成するには、月別年度予算が前提として必要となります。つまり、月別売上予算を入金サイトに応じて月をずらすのです。同様に仕入・経費の予算を支払サイトに応じて月をずらします。
当然、予算と実績は差異が出ますので現預金残高とロジックのズレは修正しなければなりません。
次に重要なことは、お金の流れを色分けすることです。
◎営業キャッシュフロー・・・営業活動つまり売上・仕入・経費のキャッシュフロー
◎設備投資キャッシュフロー・・・設備投資による支出、設備売却による収支
◎財務キャッシュフロー・・・借入増資による収入、借入返済による支出
これによりお金の出所がよく分かります。
例えば、お金が回ってもその出所が財務キャッシュフローであれば、将来的な資金ショートのリスクがあります。
これについても具体的な資金繰り予定表の作り方、資金の色分けについて記載したいと思います。
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